狂牛病パニック 〜メディアの信憑性について〜
最近、韓国国内で米国産の牛肉の輸入をめぐって大騒ぎになっている
[写真や絵はハンギョレ新聞より引用]
※ちなみにハンギョレは反米より
インターネットサイトはその話題で持ちきりだ
そして、そこに政府やメディアによる情報操作が行われている！
という話になってきて、問題は一層複雑化。
もう何が真実で何が虚偽なのか見当がつかない…
（だから、余計に人々の関心を集めている）
まず、今回の狂牛病パニックについて簡単に。
先月にイミョンバク大統領がアメリカを訪問して、
牛肉市場開放に合意してきました。
その後に、インターネットやテレビなどでアメリカ牛は狂牛病の可能性があるから危険だと話題が持ちきりに。
人気番組で「韓国人の遺伝子は狂牛病にかかりやすい」などという説も流れたとか？
（日経のニュース記事より）
一方、この牛肉解放＆狂牛病とはまた別の流れで、
李明博大統領に対する弾劾が国内で盛り上がってました。
韓国人の友人達の話では、例えば
などを大統領がしようとしていて、
大統領は国民の意向を全く聞いていない
と、大統領バッシングは大盛り上がり。
で、その大統領弾劾の動きに今回の米国産牛肉輸入が拍車をかけて、
国内で「反・米国産牛肉輸入」と「李明博弾劾」キャンペーンが展開されてます。
先日ソウル市内で行われたキャンドルデモには1万名以上が集まり、
インターネット上のDaumで行われている「李明博大統領弾劾」を求める署名活動は既に100万名を突破。
（このブログを書いてる時点では127万人！）
この大規模なデモが行われたのは6日の夕方、
このデモの前にはデモを中止させようと、色々と圧力をかける動きもあったようで、
それがより一層問題を深刻化…
このデモについては、
「10代や20代が中心に老若男女問わず大勢の人が参加した」という報道もあれば、
韓国の４大新聞社を中心に「デモに参加した多くは小中学生だ」という報道もされている
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008050741568
韓国のネチズンに言わせると、
4大新聞社に子供達（小中高生）が扇動されたために盛り上がったデモだと印象づけて、
（そのためにわざと小中高生ばかり写った写真を掲載している）
政府の教育庁みたいなところから、生徒たちをデモ活動に参加させないように発令する根拠にしてる、
これは政府による情報操作だ！と。
今回4大新聞社は「米国産牛肉は安全だ」「反米派による扇動」など
政府側の主張に賛成の立場に転じている一方、
2003年や2004年時点で同問題に対して
「牛肉輸出をしたいのであれば、アメリカは先に輸入国国民の不安から解消しなければならない」
といった反対の立場だったと言うし。
もー、インターネットでも新聞でも熾烈な批判合戦が…一体何が真実なんだろう
そして、更に驚くべきことにそこに日本でも大々的に報じられている
「ソウル市内の鳥インフルエンザ」ニュースが絡んでくる。
韓国の２ちゃんねる的な存在の掲示板サイトで、
このニュースが報じられる数時間前に、
鳥インフルエンザが発生したソウル市の区の職員と名乗る人物が匿名で
これからソウル市内の○○区で鳥インフルエンザが発生したというニュースが出るけれど、
それは（狂牛病問題から目をそらすための）政府による情報操作だ
という投稿をして大騒ぎ。
しかも、その予告通りに鳥インフルエンザの報道がされたものだからもう大変。。。
（韓国ニュースサイトより）
※ちなみに、このニュースが報じられたのはキャンドルデモが行われた同じ日で、デモの直前のお昼頃
また、先ほどの署名サイトでは、署名したにも関わらず自分の名前が勝手に削除されるという事も起きていて、
「情報操作だ！」とそれを動画におさめて、動画サイトに共有している人もちらほら。
実際、日本では政府の思惑通り（？）
弾劾デモではなくて鳥インフルエンザが大々的に報道されている。
うーん、世論とメディアと政府…
日本人という客観的な立場で、今回のこの騒動からは色々と考えさせられました。
同じ事件を伝えるにしても、伝え方によってこんなに差が生まれるものなんだなと実感しました。
事実、韓国の友人たちから聞いた話と、
日本語で「韓国 狂牛病 デモ」と検索して出てきた韓国4大新聞の関連記事のトーンが正反対という位に違っていて、
ここ数日どのメディアでどういう報道がされてきたのか観察してました。
真実なんていうのはどこにも無いってことかな…
