韓国の社会起業(1)-Beautiful Store-

韓国で今年の7月から「社会企業家育成法」という法律が施行された。
その影響を受けて、韓国メディアでも以前よりもずっと「社会的企業」という言葉を見るようになった。


社会的弱者に対するサービスや仕事の提供を条件としていて、
分野も教育や文化、社会福祉、環境など、決められている。


事例を調べていると、社団法人や財団主体のものも多いけれど、
いろいろと面白い事例も見つけた。


今月末に韓国の社会起業家を訪問するのに同行しそうなので、時間のある時にちょくちょく翻訳していく予定。


今日気になったのは「Beautiful store」というお店。
一言で言うと、大規模なリサイクルショップ。


商品は完全なる寄付。
全国各地で集めて、売って、第三カ国や地域活動団体に寄付するというすごくシンプルなモデル。
だけど、結構すごい。

  • 2006年度の販売収入は85億ウォン(日本円で10億円くらい)
  • 2006年度の収益分配は19億ウォン(日本円で2億数千万くらい)
  • 店舗数は現在全国81店舗
  • 寄贈品数600万点


この事業の成功要因は2つ。


ひとつは、高所得層からの支持と支援
富裕層たちが会社単位で、個人で無償の援助を多くしていることだ。
それが知名度の向上やイメージアップにも役立っていることは言うまでもない。


ふたつめは、ハイレベルなブランド力
店舗のデザインも統一され、CIも通常の小売店同様のレベルで確立されている。
イギリスのOxfamと事業提携を行ったり、その「社会的事業」というイメージを有効に活用したマーケティングを行っていると言える。


この事業、政府から社会的企業として認知されていないからか、まだ法律が施行されていなかったからか、政府から税金に対する特別措置はなく、現在まで売り上げのうち10%は税金として政府に納められている。


税金も付加価値税という名目で販売金額基準で計算するために売上高に対する税金比重が高いそうだ。


2002年に始まった当時の年間売上げは1億ウォンだったことを考えると、4年間で85倍の成長という恐ろしいスピードで成長中だ。
ランドパワーってすごい!!