休眠預金をマイクロクレジットへ

韓国ではいま休眠預金/休眠保険金を資金源にして、マイクロクレジット事業を展開しようとしてる。


「休眠預金」というのは、預金残高が

  • 1万W未満なら1年以上
  • 1〜5万Wなら2年以上
  • 5万W以上なら3年以上

取引が無い場合、

これを休眠預金として別途管理し、
その後5年間取引が無い場合、雑収入として処理し、
法律上金融機関は返還義務を負わないが、
その後も引出し請求があれば引出し可能

という法律があります。


でも、そもそも市民のお金なのに、
それを取引がないからといって金融機関の雑収入になるのはおかしいのではないか、
それを市民に還元する方法をとるべきではないか、
という声が上っていました。


そこで、そのお金を利用してマイクロクレジットを行う
小額庶民金融財団(別名:休眠預金管理財団)が先月末に設立されました。

これはイミョンバク新政府が打ち出している信用不良者を救済するための
ニュースタート 2008 新しいプロジェクト、新しい出発希望プロジェクト
の一環としてマイクロクレジット事業を行うというもの。


※もちろん大統領就任のずっと前から法制化に向けた市民の働きかけがありました。


設立時の財団の規模は約2000億ウォン


この財団の事業は大きく分けて4つ。


1.意志のある底所得層を対象にして創業や就業に必要な資金を支援
2.医療費や教育費など生活安定資金の支援
3.金融債務不履行者に対して信用回復に必要な資金の支援
4.低所得層の障害保険や葬礼保険に加入する際の保険料の一部または全額支援


対象者は、

  • 社会的企業育成法によるところの脆弱階層(約700万名)
  • 信用等級が7等級以下の人(既存の金融制度圏内の金融機関を利用できるのが6級まで)

だそうです。


貸出選考基準や金額については、5月までに計画をまとめる予定で、
当初はこれまでマイクロクレジットを実施していた民間団体と協働し、
審査基準や手続き、金額なども整理していきたいとのこと。


対象の定義に用いられている、
昨年施行された「社会的企業育成法」自体についても
脆弱階層の定義について関係者内で異論が上がっていて、
今後見直される可能性が高く、
この2000億ウォンが今後どのように循環されていくのか、かなり注目!