JOB KOREA(3)営業はいらない?

ちょっと数日飛んでしまったけど、
id:anomura:20060504に続いて、JOB KOREAの続き。


前回「ヤフオクみたい」と表現したのは、
そこがマーケットプレイスになっているからだと説明したけれど、
それと関連して、日本の人材ビジネスと大きく異なるのは、
それを運営している組織体制です。


日本の人材市場ではR社がリーディングカンパニーであり、
日本のこの業界はR出身者の方ばかりだからか(?)、
人材ビジネスで大事なもの、それは「営業」というのが鉄則な気がします。


現在ネット媒体だけで頑張ってる、E社やD社でさえも
IR情報を見ると「事業拡大=営業社員増加」という感じ。


まぁ、そりゃそうか。
私もこれを疑ったことなんて、今回韓国に行くまでなかったし。


では、JOB KOREAの場合はと言うと、
営業はテレマーケティングで数名いるだけ。
営業が稼いでる収益も全体の1割程度らしい。
収益の9割程度はサイトから顧客が勝手にという体制。
(だから価格も全部掲載されてるし、決済もネットで行ってその場で完了というのが基本)


でも当然と言ったら、当然。
だって「マーケットプレイス(MP)」だから。


そのため、JOB KOREAの営業はバイトかなんかのテレマで十分。
社員はというとマーケティング、システム構築、デザイン、イベント企画などに完全に注力してるという訳。


そして、ここでまた違いが生じてる。


日本の人材ビジネスの数社をJOB KOREAの上司と一緒に訪問した時に
決まって必ず上司が質問したのが
「システムとデザインはアウトソーシングですか?自社でやってますか?」


日本の各社は皆揃って
「もちろん外注ですよ。コスト削減になりますからねー。」
と答えてました。


日本的には常識(?)のこの発想、韓国人の上司はびーっくり?!


ネットビジネスで一番大事なのはシステムとデザイン(コンテンツ力)。
それを外でさせてるなんてネットビジネスわかってないねぇ。
という感じ。


実際、私がJOB KOREAで属していたアルバイト事業部は18名いたけれど、
インバウンドで相談や質問に答えてるバイトさんが5名程度いて、
それ以外のみんなはデザイナーやシステム管理、マーケティング
一緒になってワイワイ企画を考えてる感じでした。


いかにサイトを盛り上げるか、
これに最も注力してるといって過言ではないでしょう。


サイトが開いていて、まわっていれば
自然とお金が落ちてくる仕組みができている。
だから営業なんていらない。


というよりは、創業時(98年)に営業が必要なモデルではネットでやる意味がないという
発想からこういうモデルになったという点は面白い。(と私は思いました。)


その点、日本はまだまだ多くのネットビジネスが
コンテンツやシステムよりも営業中心で回っている気がする。
特にオンラインリクルーティングに関しては、今回色々と調べてホントそう思いました。
オフでやってることをそのままネットに載せただけじゃーん。って。笑

やっぱり既存の収益モデルを維持しようとするから、
日本の大手人材会社にとって営業を減らすって選択は無いんだろうね。
2007年問題があるし、今がかきいれ時だー」ってことで、
各社すんごい数の営業マンを増やしてる模様。


このJOB KOREAのモデル、楽天にも近いかなぁとも思うのだけど、
楽天は営業社員1人に担当会社100社とかって仕組みだったし、
やっぱり楽天よりはヤフオクって表現が近いかなぁと思いました。


ただ、日本でこのモデルは流行らない、
日本は対面営業が大事だって議論に対しては、
ネットで食品や服なんかは売れないって創業当初言われてた楽天
いまこうなってるんだから、
ブロードバンドもこんなに普及してる今の日本じゃ
全然大丈夫じゃないかなぁ、と楽天を盾にしています。


これまでJOB KOREAの話をして、
面白い、やってみようかな〜って反応をした人は(冗談か本気かは知りません)
5人以上はいたと思います。

個人的には1人か2人はやって欲しいなぁ♪

※(1)はid:anomura:20060502
※(2)はid:anomura:20060504